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詰将棋



子供スクール午後クラスでは、開始前に壁に2題の詰将棋を掲示します。
だいたい5手~9手位の問題ですが、子供たちにとってはそんなに簡単ではありません。
開始前や休憩時間には何人かが、「こうやって詰みそうなんだけどなー」と考えている姿を見かけます。

ある日、「あっ、そうか!」とかなりのスピードで2題とも解いてしまう少年を見かけました。
「▲・・・△・・・▲・・・△・・・で詰みですね。」と、目を輝かせて解答を聞かせてくれます。
それ以来彼が来ると、その日の詰将棋をどれくらいのスピードで解くことができるのかが楽しみになりました。
その彼が、この日勝てば初段で卒業の一局を迎えました。
詰将棋だけでなく、全体としてどれくらい強くなったのか、とても楽しみに対戦しました。

将棋は2枚落ちで、かなり難しい終盤戦になりました。
こちらの玉も危なくなりましたが、受けも利かない形なので下手の玉に必死をかけました。
上手の玉は、平凡に攻めると打ち歩詰めで逃れます。
打ち歩詰めというのは、歩を打って詰ましてはいけないというルールで、これが実戦に現れるというのはかなり珍しいことです。
詰みそうに見えてどうしても詰まないので、彼は長考となりました。
3~4分位たったでしょうか、彼は「アッ」と小さくつぶやき王手をかけてきました。
そして数手後に、金をただ捨てて歩に打ちかえるという、そのまま詰将棋となりそうな見事な手順を見せてくれました。
最初の王手から数えて、13手の詰将棋です。

最後の1手まで進めて「負けました。これを詰ますことができれば充分初段だ。おめでとう。」
彼は「ふ-」と大きく息を吐き、そして満面の笑みとなりました。

by shogi-kodomo | 2010-02-16 09:15 | 午後クラス日記